夏には‥

はしもとや

育英ポートワシントン校
華盛頓港中学一年新聞 題字SN
平成18年(2006)7月15日(日)号


生徒作品
夏の歌 KU

夏には
たくさんの虫がやってくる
夏には
たくさんの緑がやってくる
夏には
外で思いっきり遊べる
夏には
いっぱいある
楽しいことがーー

夏だな〜〜


(写真は「近江の地酒はしもとや」提供)


読書感想文
 「ABC殺人事件」(アガサ・クリスティ) RO
 僕は、アガサ・クリスティ推理小説が大好きです。クリスティの小説は読むたびに新しい発見があり、生きていく中で大切なことを学べたりします。
 クリスティが一九三〇年台に書いた「ABC殺人事件」を読む事で、いくら目の前にある物が簡単そうに見えても、まず、しっくり考える事が大切だという事を学びました。この小説の主人公、エルキュール・ポワロは、外見から見ると、小柄で、卵形の頭とピンと立った口ひげを持った中年です。しかし、自分の灰色の脳細胞を最大限に働かせて、事件の関係者との雑談の中にある、多くのうそや真実を集めて、その中から意外な発見を生み出すことが出来るのです。
 この小説では、ポワロは、奇怪な連続殺人事件に挑みます。彼は、真犯人が残した手掛かり、関係者との会話、そして、いろいろな、役に立ちそうも無い簡単な事から、犯人をあぶり出そうとします。僕はポワロとは違い、推理小説を読んで、犯人を当てたことがありません。でも、おそらく読んでいて途中で犯人が分かった、なんて、ほとんどの人にもないでしょう。それはなぜか?
 それは、クリスティが掛けた罠に、はまってしまうからです。クリスティは、簡単に、違う人が犯人だと読者ににおわせ、読んでいる人は、よく考えもせずに、そうだと思ってしまうのです。例えば算数の問題で、3の立方があったとします。この場合、考えなくやった人は「9」と答えますが、少しでも考えた人は「27」と答えるはずです。もちろん、同じことは算数だけに限らず、いろいろな事でもいえます。それに、クリスティのほかの作品も「ABC殺人事件」に負けないトリックやいろいろな教訓で充実しています。
 みなさんも機会があったら、読んでみてください。絶対に、あっと言わせるトリックや謎でいっぱいの事を保証します。
ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(Dame Agatha Christie“The A.B.C. Murders”ハヤカワミステリー文庫、田村隆一訳)