ホームレス中学生

ちはやぶる

育英ポートワシントン校
華盛頓港中学新聞 中学部通信15 題字DH
平成20年(2008)9月13日(土)号(2)


読書感想文
こんな人生でも役に立つ  三年 YK
 私は毎朝ベッドから起き上がり、朝食を口にして家から学校に向かって行く。昼食は学校で買い、授業が終われば帰宅する。そこにはトイレもあり、風呂場もあり、雨風と寒さがしのげる。でも、もしこの家が突然他人の手に渡ってしまったらどうだろう。そして家族が衆議院のように解散してしまったら…。私は収入も無く、食べるものも住むところも無い。そんなこの本の主人公、田村裕のように私がなってしまったとしたら…。想像してみた。
 まずは、一日の食事。学校には低所得者向けの助成プログラムがあり、書類を提出すれば朝食と昼食は無料でいただけるのだ。今の私の年齢では一日三時間、週六日働ける。もし働き場所が見つかれば、その給与で夕食は毎日食べていけるであろう。食にはあまり困る事はなさそうだ。
 しかし問題は住む場所である。田村は解散後一ヶ月程、近くの公園で暮らしていたのだが、この町には公園は学校から歩いて一時間の場所にしかない。これでは何かと不便である。さらに、学生が公園で生活するなどすれば、警察が動くであろう。田村は友人の家に数日間泊まらせてもらい、さらには数人の友人の親が協力し合って、アパートにまで住まわせてもらっていた。これは田村の人柄が良かった面もあったと思うのだが、私はここまで手厚く見てくださる人々にめぐり合えているのだろうか。
 この先就職を考えた場合、大学に進んだ方が有利と思われるが、その場合、学費はどこから捻出すればいいのだろうか。田村には大学生の兄がいたので、彼のアルバイト代で高校とNSCの学費がなんとかまかなえていたのかもしれないが、私の場合はどうだろう。アメリカ国籍を保有している私は各奨学金制度への申し込みがしやすい。学費がまだまだ安いアメリカの州立や市立大学に入れば、あてになるかならないかは分からないが、奨学金とアルバイト代でどうにかまかなえるかもしれない。
 親のリストラや他界はいつか起きるかもしれない。自分がこのような事態に陥るなんていうことは無いとは言い切れない。主人公のようになった時の事など今まで考えたことは無かった。ただ、もしそんな事が身に降りかかった時には「ホームレス中学生」を思い出して、自分を勇気付けようと思う。
ホームレス中学生  『ホームレス中学生』田村裕(麒麟)著。ワニブックス



百人一首かるた取り 
 9月6日(土)、始業式のあと、中学部で親睦百人一首かるた取りが行われました。成績は次のとおりです。

 組 一回目 二回目 三回目 合 計 入 賞
中1-A   3   7  18  27  
中1-B  11  10  21  42 準優勝
中1-C  12  10  26  48 優勝
中1-D   5   9  14  28  
中2-E  12  10  20  42 準優勝
中2-F   5  18  19  42 準優勝
中2-G   5  11  19  35  
新人-H   4  12  17  33  
中3-I  12  18  21  41 五位
中3-J   5  14  26  64

(写真は「千早ぶる‥」の読み札)