遊戯王カードで始める日本語(8)
●おわりに
夏休みが終わって9月から授業を再開したが、カードを読まない時間ができるようになった。どうも夏休みに遊戯王を堪能して「教科書の日本語もカードに役立つんじゃないか」と思い始めたようなのである。また、生徒は中学生になって遊戯王を卒業しようしているらしい。
遊戯王カードに「融合」というカード(写真下)がある。決められた2つの素材カードと融合カードがそろうと、2つの素材は融合し、一段と強力な「融合モンスター」を呼び出し、ゲームを有利に展開することが出来る。それと同じように、生徒は近い将来、遊戯王の日本語と一般の日本語を融合させる「カード」を手に入れ、一段と強力な「融合日本語」に進んでくれるのではないか。そんな予感がする最近の授業である。
今日は10月8日(※注)、まだ新学期は始まったばかりである。初級の生徒は新鮮な動機を抱いて授業に出て来ている。何年目かになった生徒も季節の到来とともに当初の動機を思い出しているかもしれない。本日、お話し申し上げた「遊戯王カード」のところを先生方の生徒の「学習の動機」あるいは「好きなこと、得意なこと、やりたいこと」に置き換えてくださったら、私の小さな実践がご参考になるのではないだろうか。その際には、その教材は、添え物ではなく、主たる教材にしたらどんな授業になるだろうか、などと工夫していただければと思う。
[rakuten:card-museum:10000553:image]‥融合カード
●プロローグ
ところで、あの『冬のソナタで始める韓国語』(写真下)も本当のところは、「ヨン様の台詞(せりふ)が分かるための韓国語」というものではないでしょうか。とはいえ、この本当のところから、韓国や韓国語にさらに興味を持った人が今どんどん生まれ、新しい「知韓」層を形成しつつあることを付け加えておきたいと思います。(終わり)
(1に戻る)→http://d.hatena.ne.jp/kokuda/20090704
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- ※注‥これは平成17年(2005)10月8日、ニューヨーク日系人会の日本語教育研修会で行われた講演要旨です。 "The Japanese American Association of New York (JAA)" 15 West 44th Street, 11th Floor, New York, NY 10036
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- 上の絵は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ公式ルールガイド」の表紙→ asin:408782134X
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