遊戯王カードで始める日本語(7)

公式ルールガイド



6、問題点とその克服


 以上が、私の行っている遊戯王カードを使った日本語学習である。ところで、この学習には、次のように問題点も少なくない。

  • (1)遊戯王カードに興味の無い人には、不適当。

 私のクラスの場合は、1人しかない生徒からの要望であったため、学習の動機と内容は一致したが、それは特別な例である。通常、クラスには複数の生徒がいるから、たとえば、今週は「○○さんの週間」として、その生徒中心の授業をする。次の週は他の生徒中心になる等の工夫が必要になる。

  • (2)文字が小さくて、大きく書き写さなければ、教材として使えない。

 これは、生の教材を使う時の普通の負担の範囲内である。

  • (3)専門用語、ゲームに対する理解など、教師の負担が少なからずある。

 これも生の教材を使う時の普通の負担の範囲内であるが、「生徒に習う」などの方法でこれを授業とすることも出来る。カウンセラーの木戸晶先生によると(※注1)「教える」という行為は精神活動に良い影響を与えるようだし、今まで気がつかなかった生徒の一面も見られるのではないだろうか。

  • (4)遊戯王カードだけで、基礎的な日本語の運用能力を高めることができない。

 遊戯王カードを使っての日本語学習は偏ったものである。これで終わってもいい場合もあるが、一般的な日本語の学習を続けたほうが、結局は、カードもよりよく分かるようになる。そのために、ほかの方法での学習を併用したほうがよい。これは、別の時間にしても、同じ時間にしても、遊戯王の学習が終わってからでもよいだろう。私の場合は、同じ事ばかりしていると生徒が飽きるので、同じ時間内で、従来から使用している『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE 3 』(※注2)と『基本漢字500、BASIC KANJI BOOK VOL. 1』(※注3)を併用している。(続く)→http://d.hatena.ne.jp/kokuda/20090822
(1に戻る)→http://d.hatena.ne.jp/kokuda/20090704


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  • ※注1‥木戸昌先生→http://www.jassi.org/Newsletters/2003%20Winter.pdf
  • ※注2‥『ヤングのための日本語 第3巻 スチューデントブック』Japanese for Young People I : Student Book、社団法人 国際日本語普及協会(AJALT)著、講談社インターナショナル
  • ※注3‥『基本漢字500 (Vol.1) 』加納千恵子・清水百合・竹中弘子・石井恵理子共著、凡人社。

    ヤングのための日本語 III - Japanese for Young People III: Student book  BASIC KANJI BOOK VOL.1 基本漢字500

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  • 上の絵は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ公式ルールガイド」の表紙→ asin:408782134X

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