かぐや姫

 十五夜が近づいています。今日は十五夜の物語で一番知られているかぐや姫のおさらいをしましょう。
 竹取の翁(たけとりのおきな)は、竹の中から見つけたかぐや姫を、夫婦で大切に育てました。すると、短い間にかぐや姫はすくすくと育ち、竹の中から金が出たり、うれしい事が続きました。かぐや姫はやさしく美しい娘になり、みんながあこがれました。高貴な人にも知られるようになり、たくさんの人が結婚を申し込みました。求婚する人にかぐや姫は、だれにもできないような難しい宿題を出しましたが、男の人たちは果敢(かかん)に挑戦しました。最後は、翁もかぐや姫もことわる事ができない帝(みかど)まで出て来ました。やがて、十五夜の夜、月からの迎えが来て、かぐや姫は家族とも求婚者とも帝とも別れて月の世界に帰っていきます。
 アメリカの9月は出会いと別れの季節です。小学生が中学生になり、中学生が高校生になる学年始めです。人は定(さだ)められた運命のようにこの世に生まれ、成長して、多くの人と出会います。「いつまでも」と思っていても、友達や家族との別れは現実にやってきます。「ちょうよ花よ」と育てた子供も、親元を離れて旅立っていきます。親は、子供がさずかって、育った間に起こった事をすべて「よろこび」と受け止めて、旅立つ子供を見守るしかありません。
 みんなも「かぐや姫」と同じです。ご両親やまわりの大勢の人たちに育てられ守られて、中学生にまでなりました。満月に向かう月にたとえると三日月(みかづき)ほどになったでしょうか。
 今夜の月はまっ黒にしか見えない新月(しんげつ)です。これから月は10月3日の十五夜に向かって、三日月から半月(はんげつ)へ、半月から満月へと形を変え、満(み)ちていきます。晴れた夜には月を見ながら「竹取物語」を思い出すのもこの時期ならではの過ごし方です。
 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
                   阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)「小倉百人一首」から


来週(9月26日)の予定

(省略)


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