赤勝て、白勝て

 12世紀、源氏(げんじ)と平氏(へいし)が新しい時代をかけて戦っていました。
 都で敗れた平氏は西へ西へと拠点を移します。平氏を追って源氏は山口県まで追いつめましたが、消耗する武器と食料が追いつかず、戦いを続けることができなくなってしまいました。その間に平氏は力をつけて四国を攻め、高松沖の屋島(やしま)に陣地を作りました。香川県高松市は本州から四国に入る入口で、四国と瀬戸内海の重要地点です。ここを押さえられては長く伸びた源氏の戦線が切られて全滅のおそれさえあります。
 屋島の陣地は瀬戸内海を制するように海に向かって作られていました。そこで源氏は背後の徳島にわたって陸から攻撃しました。この時におこったのが中二の国語で習う『扇の的』です。平氏側から「まことに優なりける」女の人の乗った船が出てきて、日の丸の扇を立てて手招きします。「この的を射てみよ」という挑発です。この的とは「日の丸」ですから、日本そのものです。射手になった那須与一(なすのよいち)は、戦いの始まりを告げる「かぶら矢」を放ちました。矢は要(かなめ)から少し上に当たり、扇は宙に舞います。平氏の手から「日本」がはなれた瞬間です。
 源氏と平氏の戦いでは、「この国を治めるのは自分たちだ」という印(しるし)としてどちらも「日の丸」を選びました。源氏は「白地に赤」、平氏は「赤地に白」の日の丸でした。
 以来、日本では対抗する二組を表すのに「赤」と「白」を使うようになったといわれています。別々に言う時は「あか」と「しろ」ですが、熟語では「赤白」ではなく、「紅白(こうはく)」です。これは、「赤」という漢字は「赤ちゃん」「赤貧」のようにあまりいい意味では使われないからだという説があります。源平の戦いからすでに800年。「紅白戦」はNHKの「紅白歌合戦」から今日の運動会まで続いています。

(絵は香川県歴史博物館保管『高松松平家歴史資料』「屋島合戦画帖」から )

今日の予定

 時限  時間  中一   中二   中三
1・2時間目  9:20-10:15  社会  国語  数学
3・4時間目 10:20-11:15  数学  社会  国語
5・6時間目 11:20-12:15  国語  数学 社会・特別国語
   昼食  各  教  室
 運動会 12:45-  集合 開会式 校舎西側グランド
   3:15-3:30  閉  会  式


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