英語、勉強しません

 12月10日はノーベルの亡(な)くなった日で、毎年この日にノーベル賞が出されています。
 去年は日本人が4人受賞したことが大きな話題になりました。そのうちの一人、物理学賞の益川敏英(ますかわとしひで)さんは「英語ができないので」と言って、授賞式の記念講演(Nobel Lecture)を日本語でしました。益川さんは日本から出たことがなく、ノーベル賞受賞の旅が最初の海外だったそうです。日本は欧米以外でいちばん多くの受賞者を出していますが、全員が日本でしていた研究が基礎になっています。中国やインドなどにも受賞者がいますが、みんな欧米での研究です。日本のノーベル賞は純国産なのです。
 自然科学では、研究結果は英語で発表して世界に問(と)うのが当然とされています。また、科学者は外国で発表されたものも必ず読んでいなければなりません。ですから、益川さんが英語を知らないはずがありません。そのことが分かっていたのかどうか、「今後英語を勉強しますか。」と質問した記者がいましたが、益川さんは「しません。」と答えました。益川さんは「英語は勉強の対象ではない。」と言いたかったのだと思います。毎日の生活で英語と日本語を使い分けているみんなは、益川さんが何を言いたかったのか分かるでしょう。
 今年は、オバマ大統領の平和賞受賞が話題ですが、「なぜ?」と疑問を持つ人もいるそうです。ノーベル平和賞は今までも、日本とアメリカが戦争するように導いた「ハルノート」(Hull note)のハル国務長官などももらっているので、さわぐこともないと思いますが‥。


今週の宿題
 (省略)

(写真は益川敏英著『科学にときめく』かもがわ出版


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