蛍の光

 3月20日におこなわれる卒業式の式歌演奏者募集は来週2月6日がしめきりです。
 日本の卒業式では「蛍の光」が定番です。いっしょに学んだ友人との別れを歌った歌詞がなつかしさも感じる曲に乗って聞こえると、感慨もひとしお‥言葉も出てきません。
 この曲は明治14年(1881)に出された初の音楽教科書で採用されましたが、もともと日本の曲ではなく、スコットランド(イギリス)の曲であることはよく知られています。曲は「ファ(4)」と「シ(7)」が全く使われていない「ヨナヌキ」です。伝統的な「日本音階」もヨナヌキなので、「蛍の光」は格調高い歌詞と共に日本人の最もなじみ深い歌になりました。
 その後作られた多くの童謡にも、数え切れないほどヨナヌキがあります。歴史の授業で学ぶ人では滝廉太郎の「お正月」(もういくつねると‥)、「はとぽっぽ」(ぽっぽっぽ‥)、山田耕筰の「赤とんぼ」(ゆうやけこやけの‥)などもそうです。大人の歌でも、谷村新司の「昴(すばる)」、「北国の春」、「男はつらいよ」と、いくらでも出てきます。
 ぴんと張ったゴムをはじくと音がします。ゴムを半分の長さにすると振動は2倍になり、音も2倍の高さになります。これがオクターブです。張ったゴムを3対2に分けて鳴らして「低い方」を「ド」とすると、高い方は5度上の「ソ」になります。次に低い方が「ソ」になるように少しきつく張ると、高い方は5度上の「レ」になります。同じことを5回やると、「ドレミソラド」のヨナヌキになり、人が歌う最も自然な音律になるそうです。ですからヨナヌキは外国にもたくさんありますが、「なつかしい」と感じるのが日本人なのでしょう。明治の音楽教科書を作った人の工夫もここにあったと思います。
 では次の歌をドレミで歌って確かめてみましょう。フォスターの「草競馬」(アメリカ)、「ネコ踏んじゃった」(ドイツ?)、「アリラン」(朝鮮)、「新年楽」(中国)?
(写真は蛍の光のすべて

今週の宿題
 (省略)


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