たまごの立つ話


 節分になると思い出す人がいます。雪の結晶が六角形であることを発見したことで有名な中谷宇吉郎(なかやうきちろう)(写真)です。中谷先生は世界的な科学者でしたが、理数音痴(おんち)のぼくでも読める子供向けの本もたくさん書かれました。
 著書『たまごの立つ話』では、「節分には、ふだん立たないたまごが立つ」という言い伝えが本当かどうか、あらゆる方面から検討します。たしか、こんな結論(要旨)でした。
 「たまごの表面はざらざらしているが、それは突起(とんがったところ)があるからで、突起三本を足にすると底に三角形ができる。できた三角形の中に重心が来るように立てれば、節分でなくとも、たまごはいつでも立つ」。さらに、「立たないと思っているのは、今まで、たまごが立つまで立てようとした人がいなかったからだ。‥わたしたちのまわりには、『できない、不可能だ』と思っていることがたくさんあるが、その中で、やればできるものがかならずある。それを見つけるのは君たちだ。」と書いてあったと思います。
 中谷先生はアメリカでも研究しておられて、お子さんがありました。その子は育英の生徒のように2つの文化の間で育ちました。そして幾重(いくえ)の困難を通りぬけて、今、「名前を聞けばだれもが『習いたい。』とあこがれる」音楽指導者になっています。

雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集 (岩波少年文庫)


<今週の学習と宿題>
(省略)

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