Connections

二毛作

場所にもよりますが、日本では、こいのぼりが終わるころから、田んぼに水が入って田植えが始まります。 かつては、5月から6月にかけては麦が実り、子供は、黒く墨(すみ)のような粉を噴(ふ)いた病気の穂を見つけては相手の顔にひげを描くのが楽しみでした。…

走り幅跳びの初歩

水田には水の管理が欠かせないので、日本では田んぼのある所には必ず用水路があります。僕の生まれ育ったのは扇状地の真ん中にある町で、田んぼのまわりだけでなく、町じゅうに用水路が通っていました。用水路の幅(はば)は、狭い所では50センチほどでした…

枡(ます)

3日の節分には、鬼がうちの中に入って来ないように炒(い)った豆を門口にまきます。豆は枡(ます)に入れる事が多いようですが、枡は1300年前の日本の憲法、大宝律令にも出てくる伝統のメジャーカップです。枡の基本は1合(いちごう)で、電気釜のカップ1ぱい…

おにぎり

運動会のある今日の目覚めはどうでしたか。朝の光さえ「勉強ばかりしている」普段の日と違う色に見えませんでしたか。 思い出すと、ふだんは弁当箱にご飯をそのまま詰めてある昼食でしたが、運動会や遠足では、きまっておにぎりでした。母の手から生み出され…

二人三脚必勝法

来週、27日の運動会では二三人三四脚という競技があります。参加者は、二人三脚または三人四脚になって走ります。この競技でいちばん大切なのは一緒に走る人との呼吸です。呼吸を合わせるにはいっしょに掛け声を出すのが一番です。「いちに」や「よいしょ…

星の少ない星条旗

昭和20年(1945)の9月2日、東京湾に入ったアメリカの戦艦ミズーリ号には、星の少ない古い星条旗が掲げられました。約百年前(1853)に同じ所に来航した黒船(ペリー艦隊)の旗艦サスケハナ号の軍艦旗です。甲板は上も下も黒山の人だかりで、これからショー…

7月9日の横浜港

武士の世は大政奉還(1867)によって終わりましたが、外国と結んだ条約は新政府によって引き継がれ、多くの外国船が日本に来るようになりました。そんな中、明治5年(1872)7月9日(旧6月4日)に横浜に入港したペルー船「マリアルス号」から清国人2人が英国…

ボール投げ、どうやってするの?

19日から始まった育英オリンピックの新種目は「ボール投げ」です。ボールをどれだけ遠くに投げることができるかという競技ですが、ふだんボールにさわることの無い人でも、ちょっとしたコツさえおぼえれば、すぐに自分の記録を20パーセントは伸ばせます。…

ジャンボジェット機

「努力」と書くのはそんなに難しいことではありませんが、努力し続けることはたいへん難しいことです。僕も精一杯の努力をしたつもりでしたが、その努力をおこたって、いろいろな人に迷惑をかけた一年でした。でも希望は持ち続けています。 3月8日の修了式…

しらせ

毎日、華氏20℉から30℉(摂氏では零下10℃前後)という寒い日が続いています。こういう日は、ライムやレモンをしぼって、はちみつを入れて熱い湯でといて飲むと、体があたたかくなり、せきも止まります。アメリカ人はイギリス人のことを「limey(ライム屋)」と…

津波から人を救ったすすき

みのりの秋ですね。最近ではコンバイン(収穫機)でいねかり(稲刈)をするので、すぐに米になりますが、かつてはいねかりから後も、てまひまがかかりました。 かりとったいね(稲)は2週間ほどいねかけ(稲掛)で干してから、11月の連休前後にいねこき(…

キログラム原器

ものさしの長さを測(はか)ったことがありますか。長さはものさし「で」測るもので、ものさし「を」測ることはまずありません。ところが、世の中には「ものさしの長さを測る人」がいます。 一辺が1メートルの立方体の水の重さが1トンで、その1000分の1…

復習、高峰譲吉

来週から夏休みですが、今日(㋅㏽)は全校生が参加しての「夏の集い」があります。集いのすいか割りでは学年を超えた班を作って対戦します。夏の集いは、幼稚園から中学まで一緒に勉強している学校のよさを生かした特別活動です。 1学期をふり返ると、保護…

政府専用機

4月末、日米首脳会談のために、安部晋三首相が政府専用機でアメリカに来ましたが、政府専用機は、何かの時にそなえて、必ずもう一機がいっしょについています。 日本とアメリカの関係は、嘉永6年(1853)6月3日(新暦7月8日)にペリー艦隊(黒船)が江戸湾…

タミフル

むかし、「江戸わずらい」という原因不明の病気がありました。さむらいから町人まで、江戸で生活している人だけが立ち上がれなくなり、やがて死んでしまうという奇病(きびょう)でした。明治になって、この病気は脚気(かっけ)とよばれ、特に新しくできた軍隊…

マッハのつばさ

中学の科学の授業は「音」の学習からでした。 音の速さは、いろいろな条件で変わりますが、海面上の気温15度の空気中で秒速343メートル、時速になおすと約1225キロメートルです。高速では、空気の流れは音速との比率(マッハ)によって変わるので、高速機の…

天正少年使節

旧暦の天正10年(1582)正月、13・14歳の少年4人が長崎からリスボンに旅立ちました。ザビエル以来、日本で布教を進めていたイエズス会の、ヴァリニャーノ巡察使の新企画でした。少年たちはローマなどでいろいろなことを学び、ローマ教皇にも会いました。そし…

みんなの都道府県

先週、12月9日、地理と歴史の時間の間に、小学6年生の教室に行って、T先生のお話をみんなで聞きました。 今、地理では「都道府県の調査」をしています。みんな、それぞれ、思い入れのある都道府県を一つ、取り上げて調べていますね。その都道府県で生まれ…

中国のマークが付いたプラモデル

アメリカのカーチスP40戦闘機は色やマークがいろいろたのしめる人気のプラモデルです。アメリカの星のマーク以外では、中国国民党の太陽のマークをつけた「フライングタイガース」(写真)が有名で、ラジコン模型も売られています。 昭和16年(1941)4月15…

高野槙

歴史の時間に習いましたが、平安時代の初め、遣唐使船によって、2人の僧が、密教という新しい仏教を日本に持ちこみました。そのうち、最澄のほうの天台宗は比叡山延暦寺を中心に発展します。一方の空海は都から離れた紀州に高野山金剛峯寺を開いて、真言宗…

水金地火木‥でほっとした

いよいよ来週9月9日から新学期が始まります。健康を心がけて、元気に登校してください。 夏休み中、ほっとしたことが一つありました。それは、チェコのプラハで開かれた国際天文学連合の総会で、8月24日、太陽のまわりをまわる「惑星」が8つに決められた…

気楽な国旗、厳格な国旗

6月14日の「旗の日」が過ぎると7月4日の独立記念日が近づくにつれ、町に旗があふれてきます。言うまでもありませんが、アメリカの星条旗は、逆さにすると国旗になりません。そこへくると、日の丸は気楽です。上下左右、逆でも裏でも、まったくおかまいなしに…

あじさいを愛した人

アメリカのあじさいはたくましいですね。雨がふらなくても、枯れ枝のような幹から、緑の芽をだして、大きなボールのような花をさかせます。 このあじさい、万葉集にも歌われている日本原産の花で、江戸時代に世界に紹介されました。紹介した人は1823年から28…

甲子園の土

初めてアメリカに来た時、母がスーツケースにそっと入れてくれた柿の実を空港の入国検査で捨てさせられました。知らなかったとはいえ、母の真心まで捨てられたような悔しい思いをしたアメリカ生活第一日でした。 昭和33年(1958)、日本中の心ある人が、もっと…

飛行機旅行にすぐ役立つ時差計算

あらためて、「7日正午に成田を出発した飛行機が、現地時間の同日午前8時20分にシカゴに着いた。所要時間は何時間か」と聞かれると、「まてよ」と首をかしげてしまいます。 4月29日の地理の宿題で、時差の計算問題が出ました。この問題、「予想に反して」正…

母の日

来週5月13日(土)、学級懇談会があります。母の日の前日です。皆さんのご両親が、皆さんのために学校に来てくれます。 私の母は、悲しいことがあると、よく、近所の饅頭(まんじゅう)屋におぶって連れて行ってくれました。このごろだと、かしわもちがガラスケ…

努力をおしんだ日もある

親にしかられた時、きまって、「おまえは土橋(どばし)の下で落ちていた子だ。」と言われた。そんな、と思って人に聞いても、みんなそうだと言うので、のぞきに行ったこともある。土橋の下は、底まで石垣でかためられた深い川だ。昼でも日がささず、ごみがた…

たまごの立つ話

節分になると思い出す人がいます。雪の結晶が六角形であることを発見したことで有名な中谷宇吉郎(なかやうきちろう)(写真)です。中谷先生は世界的な科学者でしたが、理数音痴(おんち)のぼくでも読める子供向けの本もたくさん書かれました。 著書『たまごの立…