みつ葉の日


 日本では古墳時代(雄略天皇5年)の461年3月17日、アイルランドキリスト教を伝えた聖パトリックが亡くなりました。パトリックは、三つ葉そろって一つの葉であるシャムロック(三つ葉のクローバーに似る)を植えて、キリスト教の根本である「父と子と精霊」の三位一体(さんみいったい)を教えました。シャムロックはキリスト教とともにアイルランドに根付き、のちにアイルランドの国花となります。
 嘉永2年(1849)、黒船が浦賀沖に現れる4年前、アイルランドにジャガイモの大飢饉(ききん)が起こり、行き場をうしなった多くのアイルランド人がアメリカに移住しました。そのころは、すでに西部のフロンティアが終わっていて、新移民は都市で底辺の生活をするしかありませんでした。あとからできたプロテスタント(新教1517〜)がアメリカへは先(さき)に伝わっていたので、古いほうのカトリック(天主教)を信じるアイルランド人は異教徒になりました。
 現在、本国アイルランドの人口は350万人にすぎませんが、海外にはアメリカを中心に約7千万人のアイルランド人がいるといわれています。最近では、何人も大統領が出るまでになりましたが、都市の危険な仕事である消防士は多くがアイルランド人だといいます。2001年の世界貿易センター崩壊の時、犠牲になった消防士にもアイルランド人が大勢(おおぜい)いたのは記憶に新しいところです。

 5番街の50丁目と51丁目の間にある聖(セント)パトリック大聖堂は明治12年(1879)にできましたが、そのころはまわりに大きな建物が無く、静かな所だったそうです。今では、すっかり変わって、ニューヨークのミッドタウンのそのまた中心です。(写真)
 聖(セント)パトリックデーのパレードは、この大聖堂を中心に盛大におこなわれ、アイルランドの国楽、バグパイプが先導します。シャムロックはこの日のシンボルです。シャムロックは三つ葉のデザインでよく、さらに葉の色の緑色なら何でもいいとされ、町に緑色があふれます。この日の伝統料理は、コーンビーフにキャベツとジャガイモを添えて、移民当時をしのびます。

 われわれの「みつ葉」は無限の可能性を秘めた3人の若葉です。どんなに変わるか、これからが楽しみです。
 聖(セント)パトリック大聖堂


<4月1日(土)入学式・始業式>
みつ葉は中学3年生になります


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