タコ インディペンデンスベル

 4月になると、アメリカでは時計が夏時間になり、日本では学年・年度がかわります。毎年のこととはいえ、どちらも毎日の生活の根本にかかわる重大な変化です。
 今年の夏時間は4月2日(日)からはじまります。日本でも夏時間を採用しようという声がありますが、この動き、出ては消え、わすれたころにまた出てくるというくりかえしで、根づよく続いています。ひところは「欧米では‥‥」といっていたようですが、近年は、電気を使う量がちがってくる、などと資源節約にからめて説得しようとしています。
 日本の学年・年度を「国際的な」9月からにしようという動きもありました。ずいぶん前、駐在者がふえて、帰国者が多くなりかけたころです。動きを受けて、外務省と文部省が大使館などを通じて世界各国の学年はじめ・年度はじめを調べました。その結果は、調査をした人の予想を覆(くつがえ)すものでした。9月に学年がはじまらない国のほうがはるかに多いことがわかったのです。その後、この動きはどこかに行ってしまったようです。
 アメリカでやっているものを日本で流行(はや)らせると、日本人はたいてい乗ってくるのですが、夏時間も年度はじめも、なかなかアメリカのようにはなりません。4月1日のエープリルフールも、年のはじめが「うその日」ではなんとも締(しま)りがわるいからでしょうか、いつまでたっても流行りません。
 その日、「タコベル」の全面広告(写真)がニューヨークタイムズを飾(かざ)ったことがあります。
「このたび、当社ではフィラデルフィアのインディぺンデンスベル(リバティーベル、独立記念鐘)を買い取りました。今後、この鐘(かね)は『タコ・リバティーベル』となり、当社のマークも変わります。」といって、記念鐘のシンボルである「ひびわれ」の入った鐘のマークを掲載(けいさい)しました。だれもが「うっそー」と思ったようですが、やがて、冗談(じょうだん)にもほどがある、と世論は騒然(そうぜん)となりました。とうとう、タコベルは正式に謝罪し、独立記念事業にたくさんの寄付をして、さわぎはおさまりました。
 ユーモアをどこよりも認(みと)めて、ツボをこころえているはずのアメリカでも、エープリルフールは簡単ではなかったのです。タコベルにそこまでの計算があったのかもしれませんが‥‥。



●来週 4月1日(土) 入学式・始業式 -写真撮影-

●今年度の学級通信『みつ葉』はこれで終わります。いろいろと、おせわになりました。これからも、日本とアメリカという2つの文化の中で努力しているみなさんを、応援していきたいと思います。


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