高名の木登り


 今年前期の通知表「若木」をわたすのが、僕のミスのせいで1週間遅れてしまいました。
 実は、「若木」は2週間前から用意し、準備はすっかりできていて、あとは清書したらいいという状態でした。ところが、最後の清書が誤字だらけになってしまい、みなさんに迷惑をかけてしまいました。この場を借りておわびします。ほんとうにすみませんでした。
 鎌倉時代に書かれた『徒然草』に「高名の木登り」の話があります。木登り名人が、人に、高い木の枝を切らせる話です。高いところで、あぶなそうなところにいる時には、だまって見ていて、のきさきの高さまで降りてきたところで、名人は、木に登っている人に「気をつけて」と注意します。 そばにいた人が、「あの高さなら大丈夫なのに」と言うと、名人は「あやまちは安き所に成りて必ず仕(つかまつ)る事にそうろう。」と言って、筆者の(吉田)兼好法師を感心させます。
 「もう大丈夫」と思った時がいちばん気をつけなくてはいけない時だという教えです。先人の知恵を学ぶのは古典学習の大切な目的の一つです。この話は学生のときからずっと知っていました。でも、知識のどこかに入っていただけで、身についていなかったのです。これでは、何のための古典かわかりません。今後、いっそう気をつけますので、ご容赦くださいますよう、お願いします。


<今週の学習と宿題>
(省略)

(絵は兼好法師像)