一粒十万倍

 地球の環境は大気を囲む何重ものガスの層(成層圏)に包まれて守られています。ところが、9月24日、南極上空のオゾンの穴が、南極大陸の2倍以上、過去2番目の2930万平方キロメートルになりました。地球のオゾン層は生成と分解のバランスで保たれていますが、近年、バランスがくずれ、1980年代から現れたオゾンホールが2000年には最大となりました。オゾンを破壊するのはフロンなどのガスです。フロンは安定したガスで、一度発散されると3〜4年かかって成層圏まで達し、1個の原子がオゾン分子10万個を連鎖的に分解していきます。「小さなことがとほうもなく大きくなる」という意味で使われる「一粒万倍」の10倍です。
 今月3日、日本の第47次南極地域観測隊は、昭和基地上空のオゾン量が過去最少(オゾンホールができる前の半分以下)になったことを観測して、警鐘を鳴らしました。オゾンホールが成層圏の温度を下げ、オゾンの分解がさらに進んでいるという見方もあります。クーラーの冷媒やプリント機材の洗浄剤の規制などで、フロンによるオゾンの破壊がいくぶん抑えられてはいますが‥。さあ、どうしたらいいか。科学と環境を勉強する君たちに期待がかかっています。
(写真上は昭和基地、下は初代南極観測船「宗谷」)


<今週の学習と宿題>
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科学の授業‥‥(内容省略)