よくなろう、よくなろう

 中学最初の1年はどんな1年だったでしょうか。自己主張が強くなったなあ、人の言うことに対してなぜか反発したくなるなあ、言い訳することが多くなったなあ、とか感じることはありませんか。これは、「自分」というものを持ち始め、大人に一歩近づいてきた証拠です。自分の「思い」というものが見えてきて、「思い通りにならない」「悪いのは○○だ」「○○さえいなければ」などと思えてくるのもこのころです。
 中一という二度と無いチャンスに出会って、いっしょにすごした仲間たちの顔を思い出してほしいと思います。どの子もいっしょうけんめいに生きている姿が見えましたか。私たちは桜を見て、きれいだなとか、日本の心だなとか思いますが、桜のほうは自分のために、自分が生きていくために一生懸命花をさかせているのです。

 世の中にたへて桜のなかりせば春の心はのどけからまし在原業平

 この歌は桜への愛を歌ったものだといわれていますが、「桜があるから春はいそがしい」と言っても桜が悪いわけではありません。相手ばかりが悪いと言っても、現実が変わるわけではありません。「悪いこと」は、もともと自分の未熟さから出てきたことのほうが多いのです。相手が悪いわけではありません。まずは、自分が未熟だと思うと、未熟を克服するために努力できるようになります。
 中一を終えて、大人への道を進んで行くみんなには、苦しくてたまらないこと、それでもがまんしなければならないことがこれからもたくさん待ち受けています。人は、そのつらさを受け止めて、だれもが「よくなろう、よくなろう」と努力しているのです。この一年、みんなは、そんな姿をいろいろな所で見せて、感動させてくれました。


これからも‥
 中学は、先生やご両親よりも仲間を大切にしたいと思い始める年ごろです。友達から多くを学ぶチャンスです。未熟を乗り越えるのは、人によって違います。人が努力して未熟を乗り越える姿を見て、いいな、素敵だな、と感じることのできる人は、自分もがんばろうとします。反対に、ばかにしたり無視したりする人は、人から学ぶことができません。
 中学卒業まであと2年。つぎの1年も一生懸命努力して後悔のない日々をすごしてください。これからも日本とアメリカという二つの文化の中で努力しているみんなを応援していきたいと思います。すばらしい感動を与えてくれた感謝をこめて‥。
(絵はRAKUTEN)


題字デザイン展2
 学級通信「桜並木」と「華盛頓港中学一年新聞」の題字を募集したところ、たくさんの応募がありました。先週までに発表しきれなかった、みなさんの題字を掲載して、感謝の気持ちを表したいと思います。ありがとうございました。おかげで、学級通信を一年間、休まず続けられ、みんなの作品もたくさん紹介できました。
(作品省略)
 ブルックリン植物園の桜


<ごあいさつ>
 今回で平成19年度(2007)の中学一年学級通信を終了します。来週からは一つずつ進級して、新しい学年の始まりです。気持ちあらたにがんばりましょう。私たち教職員もがんばります。来週の土曜日は入学式ですが、どんな出会いが待っているのか、今からわくわく楽しみです。今年1年間、様々なご協力ありがとうございました。
 1月にもお知らせいたしましたが、学校の事務所移転により、連絡先が変わっています。また、奥田の電話番号も1月から変わりましたので、あわせてご案内いたします。
 -ポートワシントン校新事務所-
 Japanese Children’s Society, Inc.
 Ikuei Saturday School/pw
 8 Maple Street #6, Port Washington, NY 11005
 (電話番号・連絡先省略)


4月5日(土)入学式・始業式
 中学2年に進学、おめでとうございます