顔を浸けるな

 夏休みが終わりました。日本の学校では、2学期の初めに水泳の競技会をする所が多いようですが、学校のプールは、日本にあってアメリカに無い物の一つです。学校の水泳では、「水に親しむために」顔を水に浸(つ)けることから始まります。水に浮かんだら、クロールなどの種目を習います。お手本どおりに泳げるとクラスが上がり、水泳帽の線が増えるのも楽しみでした。
 故郷の町では川が町の真ん中を走り、あちこちに溜池(ためいけ)もありました。落ちたら危険な場所だらけで、「泳ぎ」は子供の一番の課題でした。
 小さい時「泳ぎを教えてやる」という父について近くの池まで行くと、いきなり抱き上げられて、水に放(ほう)りこまれました。沈(しず)んで水をのんで、「もう死ぬ」と思った時、やっと助けてくれました。土手(どて)まで上がると、また放りこまれました。何度か続いたあと、父は僕を支えながら泳いで土手から10メートルほど池の中に入った樋(ひ)まで連れて行ってくれました。
 樋は池の排水装置(写真)で、子供にとっては池の中に浮かぶ小さな島でした。この樋と土手の間が水泳場でした。やかましく言われたのが「顔を浸(つ)けるな」でした。顔を浸けるとまわりから見えにくく、おぼれているのか泳いでいるのかも分かりません。水がきたないと目や鼻などから何が入るかも分かりません。助けを呼ぶことも出来ません。まず浮かび方、それから立ち泳ぎを習いました。立ち泳ぎは足だけで泳ぐので、おぼれている人を助けることも出来ます。
 池でおぼえたのは競技のための水泳ではありません。自分と人の命を助ける泳ぎでした。顔を上げて泳ぐくせはなかなか直らず、学校の水泳では苦労しましたが、学校で教えていることと本当の社会とは別なのだということを身をもって知らされたような気がします。
 では、学校で教える「社会」は本当の社会で通用するか??。社会科の教師の一番の課題です。

(写真はビオトープ管理士会近畿支部


行事が目白押し‥2学期の予定
 2学期は行事がめじろおしです。カレンダーにしるしを付けておきましょう。
 (行事予定表省略)


本日、運動会、遠足についての連絡を配布しました。よく読み、必要書類はできるだけ早く提出してください。


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