造幣局の通り抜け

 ニューヨークの花見のしめくくりは5月1日と2日におこなわれるブルックリン植物園の「桜祭」 でしょうか。ブルックリン植物園の桜は42種類あるそうですが、一番めだつのは関山(かんざん)という八重桜(やえざくら)です。太い幹からたくましく伸びた枝に、桜色というより「むらさきがかったピンク」のはっきりした大きい花のかたまりが青空に映(は)えています。日本の公園などでたくさん植えられているソメイヨシノに見慣れた目には濃すぎるようにも思えます。
 八重桜といえば、127種類の桜があるという造幣局の「とおりぬけ」が有名です。
 日米修好通商条約で日本が開港したころ、金と銀の交換比率は1対5でした。ところが欧米の植民地同様になっていた上海では1対15でした。これに目を付けたイギリス、アメリカなどは日本に銀を持って行って金と交換し、その金を上海で銀と交換すると3倍の銀が手に入りました。その銀をまた日本に持っていく‥。こうして、あっという間に100万両以上の金が日本から無くなってしまいました。貨幣(かへい)制度の近代化は急務でした。
 近代の貨幣は、偽造(ぎぞう)できない同じ物が安定的に広く供給されなければなりません。そこで新政府は明治4年(1881)、大阪に造幣局を作り、近代貨幣の供給を始めました。造幣局三重県の藤堂藩(とうどうはん)の大坂屋敷の跡(あと)でしたが、屋敷にあったたくさんの桜は残されました。造幣局長になった遠藤謹助は明治16年(1883)からその桜の一般公開を始めました。ただし、貨幣を作る役所内で「飲めや歌え」の花見をするわけにはいかないので、南門から入って北門から出る「通り抜け」になりました。
 三百年続いた江戸時代のお金の使い方を根本から変えていくのは容易ではありません。しかし、造幣局の通り抜けで、新しい貨幣は身近な物になりました。それに場所は、江戸時代には限られた人しか入れなかった大名屋敷です。そこに入って桜をながめることができるとは‥。新しい時代になったことを多くの人が味わったことでしょう。

 ‥造幣局南門。上の写真は造幣局の関山。
→ http://www.mint.go.jp/sakura/index.html



中庭に入らないで!              
 多目的室横、幼児部(年中組)前の中庭は今工事中です。入らないようにしてください。


育英オリンピックが延期されます 
 先週予定していた育英オリンピック(50メートル走)は雨天のため中止され、再来週(5月8日)に延期されます。


中二委員の訂正              
 4月10日号に掲載された中二の委員を次のように訂正します。
 委員長‥SK。 副委員長‥SF。 体育委員‥DC、RH。


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