書初め

 書道上達のひけつは、奈良の飛鳥あたりに行って、小正月(こしょうがつ)の「おおどんど」の火に1年間書きためた習字をくべることです。
 この日、ぼくの里(さと)では「新池の地蔵さん」の前で、しめ縄などを燃やす「とんど」をしました。長いくしの先にもちを1つさして、この火で焼いて食べると1年間、病気にならないとか。それだけですが‥。
 母の里の「おおとんど」は、1日がかりです。田んぼのまん中に、1辺が1メートルあまりの正方形になるように杭(くい)をうって、柱にします。その中に切ってきたばかりの竹を何十本も立て、すそをわら(米を取ったあとの稲を乾燥したもの)で厚くかこんで、縄と針金でかためます。夜になって火が入ると、書きためた習字をくべます。紙は燃えながら火の粉といっしょに舞い上がり、高く上がるほど上手になると言われています。真っ暗な平野のあちこちで、赤く燃え上がるおおとんどは夢のようにきれいでした。
 焼け残った杭(くい)は「火の用心」のお守りとして、短く切って、家ごとに配られます。ぼくは5年生になるまで習字をくべてもらっていたのですが、その後は行かなくなりました。だから字がへたなのです。ところで、小正月は明日です。
(写真はイメージ、Terufusa Nomoto)


<来週二十一日は書初めです>
各自、筆とすずり(墨入れ)・新聞紙を用意してください。


<今週の学習と宿題>
(省略)

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