努力をおしんだ日もある

 親にしかられた時、きまって、「おまえは土橋(どばし)の下で落ちていた子だ。」と言われた。そんな、と思って人に聞いても、みんなそうだと言うので、のぞきに行ったこともある。土橋の下は、底まで石垣でかためられた深い川だ。昼でも日がささず、ごみがたまって、悲しいほど寒々としていた。ずっとあとで、良い子だけが土橋の下に落ちていなかったとわかった。
 その土橋の西側に、古い立派な門が立っている。柿本人麻呂一族の柿本寺(しほんじ)の寺子屋があった寂静院(じゃくじょういん)の門だという。学制発布(1872)の時、看板を「崇文舎(すうぶんしゃ)」にかけかえて小学校にした、日本近代教育発祥の地の「あとかた」だ。その後、小学校は、廃寺で無くなった柿本寺のあとに移って、ぼくの卒業するところとなる。
 同じ寺子屋でも、大仏さんの東大寺は今もあるし、中学校と高校、さらに「光明皇后の志(こころざし)をつぐ」養護施設も経営している。大阪の適塾(てきじく)は大学の医学部に発展し、建物も保存されて文化財となっている。
 それでもぼくの足は、今も、土橋の前のまぼろしの崇文舎とその後身の小学校に着いている。「あの時、自分の足は育英に着いていたんだ」と思い出してくれるような、そんな日々を過ごせたらと、クラスにのぞんできたが‥。
 努力をおしんだ日もある。反省すること、しきりだ。
(写真は土橋の東側。左の森が小学校、右側がぼくが「落ちていた」川)

3月11日(土)卒業式・終業式
卒業式‥10:30 集合 12:15開式
終業式‥ 1:20 開式


<今日の学習と宿題>
(省略)

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