おしょらいさん(精霊)

 昨年の人口統計がまとまり、日本の人口がはじめて前の年より減ったことが数字で出たそうです。人が少なくなるという、今まで日本人が歴史の中で、まったく経験しなかった新しい時代に入ったのです。子孫がいなくなるとどういうことになるか、もうすぐ、お盆ですが、お盆の言い伝えは教えています。
 7月最後の日曜日、故郷では、みんなが出て、共同墓地(写真上)のそうじがありました。みんなのところがきれいになったら、あらためて墓(はか)まいりをして、自分の家の墓そうじをします。
 そして、8月13日の夕方、「おしょらいさん」をむかえに行きます。おしょらいさんは家の先祖さんで、漢字で書くと「精霊」です。お墓の見える所(家によって決まっている)まで行って、線香に火をつけて持って帰り、仏壇の前にさします。毎年のこととはいえ、「この線香のけむりに先祖が乗ってくるのか」と、とても不思議でした。おしょらいさんには、はすの葉の上に、はくせんこ(らくがん)で作った盆菓子(ぼんがし)とやさいなどをそなえます。亡くなってから1年以内の「しんぼとけ」があるときは、木を薄くけずった経木(きょうぎ)で作った「やかた」を置き、お供え物はその前になります。お盆の間、15日まで先祖さんといっしょに暮らすのです。16日の朝、こんどは仏壇の前で線香に火をつけて、迎えに行った場所まで持って行って、お盆は終わります。
 このおしょらいさん、ちゃんと子孫がまつってくれると家の守り神になってくれるのですが、子孫が絶えたりして、帰る家がなくなると、水の中をただよい、人を中によびます。よばれては水死ですから、橋には、おしょらいさんのきらいな「ねぎぼうし」(写真下)をつけて水難防止とします。
 お盆がすぎると日本の海はあれます。ねぎぼうしのない橋を渡る時なども、水には気をつけましょう。まつられないおしょらいさんがあなたを待っています。(という言い伝え)
:W200
らんかんに「ねぎぼうし」のある日光の神橋


<夏休みの宿題>
(省略)

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