小正月

 1月15日は小正月小正月といえば、しめ縄を燃やす「とんど」でした。町ごとに「ここ」ときまった場所があり、うちは「新池の地藏さん」の前でした。とんどの係は、どの家でもたいてい子供で、大手をふって朝から近所のみんなと遊べる祝日でした。
 しめ縄も、家によって、いろいろでした。一番多いのが、七本・五本・三本に数えたわらをたくさん垂らした長い縄でした。次が、大根のように真ん中がふくれた短い縄でした。ここに「うらじろ」や「ゆずりば」などをくくって、表の鴨居(かもい)にかけます。その他の所はわらを七・五・三に一回ずつ垂らして丸めただけの「こじめ」でした。丁寧な家では「こじめ」も立派で、たくさんあるので、その家のしめ縄が入ると、火がいっぺんに大きくなります。小さな家でも、裏口、井戸(水道のじゃぐち)、かまど(台所)、神だな、仏壇、それとお手洗いぐらいはこじめをかけるので、集めると、子供が両手でかかえるほどになります。お手洗いのしめ縄は別に燃やします。
 とんどの火でもちを焼いて食べる事になっているので、長い竹ぐしを作ってもらって、もちも持っていきます。用意のいい子は、しょうゆなどを持ってきます。うちで焼くのとは勝手がちがうので、僕は、いつも炭のようにこげたもちを食べていました。炎で焼かないで、炎が落ちて、真っ赤な火になった下のわらにかざすのがコツですが、早く食べたいので、つい炎にもちを入れて、まっ黒な炭にしてしまうのです。
 同じ真っ黒なスミでも、今日は書初め。「墨」のほうでした。書初めも「とんど」も終わって、お正月の余韻も消えて、世界は日常モードに入ります。


(生徒調査)福島県福島市のお正月  YH
○31日

  • 大掃除をする。門松を作る。年越しそばを食べる。(紅白を見ながら)
  • 福島名物いかにんじんを作る。

○お正月

  • しめ縄、門松、かがみもちなどを飾る。

 おせち

  • ぞうに‥しょうゆ味、四角いもち(もちは焼く)。具は、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、とり肉、みつば、凍み豆腐(立子山の凍み豆腐)
  • いかにんじんなどを食べる。
  • 元朝参りに、稲荷神社か中野不動尊(写真)に行く。
  • もちつきをする。
  • こま回し、はねつきなどで遊ぶ。
  • お年玉をもらう。たまに、福袋を買いに行く。


<今日の学習と宿題>
(省略)


1月7日(日)と1月13日(土)、生徒新聞が発行されました。


新着図書
今昔ものがたり (岩波少年文庫)  窓ぎわのトットちゃん (講談社青い鳥文庫)
杉浦明平「今昔ものがたり」(岩波少年文庫
原作は、芥川龍之介が取り上げてから、文学として見直されたという「今昔物語集」。平安時代末、仏教が庶民のものになるころに説かれた短編を集めたもの。この本にあるのは全体のごく一部です。もっと読みたくなったら、次は原文(古文)で読みましょう。
黒柳徹子著、いわさきちひろ絵(講談社
漢字に読み仮名がふってある「青い鳥文庫」の一冊。抱腹絶倒の学校生活。日本には、こんな明るくておもしろい学校が戦前からあったんだ、と気楽に読んでほしいと思います。育英の中一と比べられると「こわい」ですが‥‥。


保護者の皆様
学級文庫は、皆様のご協力によって、隔週で、お預かり、お持ちいただいています。先週は中二の当番が欠席でしたので、急遽、中一が担当することになりました。