すいか割り

 今日で1学期が終わり、「夏の集い」があります。集いのハイライトは幼稚園から中学三年まで縦割り班に分かれての西瓜(すいか)割りですが、僕は西瓜割りをしたことがありません。
 子供のころ、僕の故郷は日本でも有数の西瓜の産地で、叔父(おじ)の家でも西瓜をつくっていました。ちょうど今頃が出荷の最盛期で、納屋(いなや)からトラックまで、近所の人も一列に並んで、大きな西瓜をポンポンと手際よく両手で投げながらリレーしていくのを見ながら、「僕も大きくなったら、上手に西瓜を投げられる立派な大人になるぞ。」と思ったものです。
 西瓜はとても手間がかかります。元気の良い種を選んで発芽させると、葉が付くまで苗床(なえどこ)で育てます。その中から、また元気のいいのを選んで田んぼに植えていくのですが、水はけを良くするために、溝を掘って、約1メートルのはばの畝(うね)を作ります。その畝の真ん中に1メートルほどの間隔をあけて、一本一本苗を植えます。植えたら、虫よけと保温のために上からビニールをかぶせます。確実に実をつけるために、一つ一つの花に花粉を付けますが、ミツバチ屋に来てもらって、ミツバチを放った年もありました。
 実がなってからは、片方だけに日が当たると、一つの実の中で、熟(う)れすぎている所と、まだ熟れていないところができるので、裏返したり転がしたりして同じ味が出るようにします。畑全体がビニールハウスになるまでは、西瓜を取られないように、番小屋を作って、暑さと蚊(か)に悩まされながら見張りをしました。もちろん、水と肥料は欠かせません。よく熟れた西瓜はちょっとぶつかっただけでも割れてしまうので丁寧に扱います。
 こうしてできた西瓜を棒でたたいて割るという発想は、だれにも無かったのだろうと思います。西瓜は食べ物です。どうぞ、心の中で「いただきます」ととなえて、西瓜割りを大いに楽しんでください。
(絵はグリフィンアイランド)


<今週の学習>
 (省略)


<夏休みの宿題>
(省略)