駅伝

 明日から冬休みですが、お正月にはテレビで箱根駅伝を見るという人が日本中にいます。箱根駅伝は、1月2日と3日の2日間をかけて東京と箱根間の往復217.9キロメートルを10区間に分けて全国の大学生が走る人気イベントです。
 長距離を何人もの走者がリレーして走り抜くという競技は、英語でも「Ekiden, or Road relay」と呼ばれる日本発祥の競技です。長い距離を走る人も短い距離を走る人もそれぞれが自分の持ち場を責任をもって完走して次の人にたすきを渡す団体競技です。いくら短い距離でも自分がきちっと完走しないとチーム全体が失格します。一人でも欠けると駅伝は成立しません。このへんが、国際試合もあるマラソンクロスカントリーと競合しながらも根強い人気がある理由ではないかと思います。
 駅伝ということばは、古代の歴史書である日本書紀から取られました。大化の改新(645年)で、国の統一を強化するため、日本中の幹線道路が整備された時、30里(約16km)ごとに駅を置き、食べ物や馬を用意しました。朝廷からの使者は駅にある馬を乗りついで旅を急ぎました。このことを「駅伝貢進」といい、制度を「駅制」といいました。「駅」が馬偏(うまへん)なのは古代中国にも同じようなものがあったからです。
 みなさんのご両親をはじめ、大人は「社会」という名の駅伝の選手です。いろいろな場所でいろいろな事をして、責任をもって「社会」というチームを支えています。では、中学生は駅伝の何でしょうか。駅伝に出るために毎日練習しているひかえの選手かもしれません。
 「ひかえ」は、たすきをもらった時、いつでも自分の責任を果して完走できるよう、体力を作り、コースやルールを調べ、チームの「和」をはかります。「この選手がひかえているから安心して走れる」というのも立派な社会への参加です。
(写真は今年の箱根駅伝『駅伝時評』)


<今週の学習と宿題>
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