鈴木大拙とダルマさん

 鎌倉の円覚寺(えんがくじ)は、元寇の敵味方戦没者の供養(くよう)のために、執権、北条時宗が建てた臨済宗の禅寺(ぜんでら)で、現在も活発な修行活動をしています。
 5月17日の合同授業でみんなが学んだ鈴木大拙もこの円覚寺で長く座禅修行をしました。大拙円覚寺の老師がシカゴでする講演原稿の英訳がきっかけで、得意の英語を使った仏教の研究をしていましたが、老師のすすめでアメリカに渡って、仏教書を書いたり、翻訳したりして、アメリカやヨーロッパでも活躍しました。6世紀にインド人のダルマ(達磨)によって中国に伝えられた「禅」が、インドや中国の言葉ではなく、日本語の「ZEN」として世界に広まったのは、大拙の努力のたまものです。
 日本文化を教えているアメリカ人の先生に、「鈴木大拙の『禅と日本文化』は良い。」と教えてもらったことがあります。『禅と日本文化』は日本文化紹介の古典的名著ですが、それまで、ちゃんと読んだことがありませんでした。幸い、日本語訳が出ていたので読みましたが、こんな難しくて本格的なことをアメリカ人は勉強しているのか、と驚いたものです。世界で、日本を理解し日本人に好感を覚え、親しみを感じる人が多く生まれているのは、日本の事をこんなにきちっと専門的に英語で書いてくれた大拙のような人がいたおかげです。
 今、アメリカでは、ベッドから化粧品、赤ちゃんのおもちゃまで「ZEN」と名付けた物がたくさん出ています。先日も水鉢(みずばち)に小石を積み上げて、真ん中から水がちょろちょろ噴き出すようにしてある「ZEN」という装置をドラッグストアで見つけました。箱の説明を見ると「言葉でないものに癒(いや)される」ということのようです。こんな「禅」も有るのかという使い方ですが、声をからして自分の名前を連呼し、当選したらダルマさん(達磨)に目を入れて「バンザイ」を叫ぶ日本の選挙よりは「禅」に近いような気がしますが、いかがでしょうか。
(写真は衆議院議員選挙)

対訳 禅と日本文化 - Zen and Japanese Culture


育英オリンピック -走り幅跳び-
 5月31日、中学部は育英オリンピックの走り幅跳びの測定をしました。跳ぶタイミングを合わせるのに苦戦している人も何人か、いました。その中で1位に輝いたのは中二のKU君で、記録は4メートル20センチでした。(ボランティアSK記)



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