ノーベル賞

 遠足で、ニューヨーク水族館に行った時、暗い展示室の中で丸い頭をしたかわいいくらげが水槽の中で青く光っていたのを憶えていますか。あの光るくらげのしくみを研究し、オワンクラゲ(Aequorea victoria)から緑色蛍光蛋白質(---けいこうたんぱくしつ)(Green Fluorescent Protein)を発見して、精製したのが、10日にノーベル化学賞を受賞する下村脩(しもむらおさむ)さんです。緑色蛍光蛋白質は、自分だけで光るので、細胞や遺伝子の目印となり、生命科学の研究に欠かせないものになりました。
 今年のノーベル賞は、3人の日本人が物理学賞を独占したことでも話題になっています。3人の研究テーマは素粒子素粒子は「それ以上小さいものが無い」物です。南部陽一郎さんは「重さが生まれる」基礎的な考え方を示し、世界の物理学研究に大きな影響を与えました。理論物理学は「紙と鉛筆でする」といいますが、敗戦直後の日本にはその「紙」さえなく、南部さんは昭和27年(1952)から渡米して研究を続けました。米国籍を取っているので、アメリカの新聞では、「Two Japanese Scientists and an American won the 2008 Nobel Prize in physics …」(日本人2人とアメリカ人1人がノーベル物理学賞‥)などと伝えています。
 物質の基本とされる原子の中心には原子核があり、原子核は陽子や中間子から構成されています。陽子や中間子はさらに細かい「クォーク」の組み合わせからなりますが、クォークが6種類あるという理論(小林益川理論)を協同でうち立てたのが小林誠さんと益川敏英(ますかわとしひで)さんです。現在このクォーク素粒子とされています。
 新聞などでは4人の喜びの声を伝えていますが、共通しているのは「本当にうれしい。でも、発見した時のほうがもっとうれしかった。」という意味の感想でした。疑問に思っていた事が解けた時の気持ちよさはみんなも経験していますね。その一歩むこうにノーベル賞があるのです。
(写真は鶴岡市立加茂水族館オワンクラゲ


※生徒作品は別項



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