歌会始

 あけましておめでとうございます。お正月ですね。みんなの「百人一首」の実力を発揮する時です。
 よく考えるとカルタというのはずいぶん乱暴なゲームです。天皇の御製(ぎょせい)から、山辺赤人(やまべのあかひと)のような何者かも分からない人の歌までいっしょくたにして、足で踏むような床に並べます。取り札(ふだ)を取る時は、一瞬でも早く取るために、札を跳ね飛ばしてもかまいません。歌も、最後まで聞かなくて大丈夫。鑑賞もへちまもありません。天皇だって貴族だって遠慮することはありません。女性もお坊さんも武士も関係ありません。どの札も同じ価値で、人より早くたくさん取るのがルールです。
 みんなは百人一首から一首を選んで書初めで書きますね。せっかく選んだのだから、その歌は必ずカルタで取るようにしてはどうでしょうか。コツは、ならべた取り札からお目当ての下の句を真っ先に見つけることです。その場所をしっかり憶えて、上の句が読まれたらすぐに取ります。たとえば、「有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし」(写真)が選んだ歌だったら、「あかつきはかりうきものはなし」に目を付けて上の句を待ちます。「ありあ‥」まで聞こえたらすぐに取ります。こうすればだれよりも早く取れます。(「ありま‥」だと別の歌なので「あり‥」で取りに行かない。)
 和歌の前には人は平等です。宮中(きゅうちゅう)に伝わる「歌会始」(うたかいはじめ)では、天皇皇后両陛下、皇族方といっしょに、入選者が自作の歌を披露します。歌は広く公募され、外国からも申し込む事ができます。条件はただ一つ。短歌一首を作ることだけです。今年の最年少は福岡県久留米市の中学2年生。夏休みの宿題で作った一首が入選したそうです。
 来年、育英から歌会始に招かれる生徒が出るのも初夢ではありません。


※生徒作品は別項



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