二毛作

 場所にもよりますが、日本では、こいのぼりが終わるころから、田んぼに水が入って田植えが始まります。
 かつては、5月から6月にかけては麦が実り、子供は、黒く墨(すみ)のような粉を噴(ふ)いた病気の穂を見つけては相手の顔にひげを描くのが楽しみでした。大人は、大急ぎで収穫し、麦畑をたがやして水田にします。限られた土地を2倍に使う、米と麦の二毛作が広く行われていました。
 ところが、昭和29年(1954)、アメリカで自国の農業を保護するため、「余剰生産物処理法」(公法480)が出来て、日本などに小麦が大量に援助されました。小麦を使ったパン食や麺(めん)食が勧められ、パンを食べさせる学校給食が広がりました。学校やマスコミでもパンを食べる事が良いことのように教えました。やがて、日本人の暮らしにしっかりとパン食が根付きました。
 輸入小麦に押されて、日本で小麦が作られなくなり、鎌倉時代からでも700年続いた二毛作は衰退していきました。狭い日本でありえない「土地の有効利用の放棄」でした。田んぼは「美しい田園風景」「棚田百選」などと、見た目でほめそやされることがありますが、日本の田んぼが美しいとしたら、限られた土地を出来るだけ有効に使おうと精魂(せいこん)こめて耕(たがや)してきた田んぼの機能美だと思います。
 その後も、アメリカは、牛肉、オレンジ、米‥と日本に輸入させ続けました。農産物の輸入と並行するように伸びたのが車の輸出です。日本の車は燃費と排気ガスで世界最良の水準にあります。二酸化炭素(CO2)排出規制もこれ以上のことが出来ないほど、日本人は律儀(りちぎ)に努力しています。それは、最近まで日本の田んぼで作り出していた「美しい空気」をどこかで取りもどそうとしている姿のようにも見えます。


育英オリンピック ボール投げ
 先週、5月30日の育英オリンピックではボール投げが行われました。参加者の最高記録は男子ではRU君(中二)の48m20cm、女子ではSKさん(中三)の23m50cmでした。
 今週からは休み時間を利用して、先週まで記録の出なかった人の計測を行います。


(写真は、田植えを習う日本の子供たち。奈良県北部農林振興事務所)


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