役に立たないように‥

 人が安心して暮らすには、治安の維持が欠かせません。日本も最近は治安が悪化してきたようですが、気になるのは、町の見張りをする交番(派出所、駐在所)が人の住む町から離れた所に移って行っていることです。
 私の生まれた町でも、町の中心を通る街道ぞいに派出所がありました。もともと警察署だった木造の建物でした。前には木登りができる銀杏(いちょう)の木もあって、家がすきまなく建てこんだ古い街道のちょっとした明るい広場になっていました。警察官がいつも一人座っていて、事務所をぬけて中に入ると時代劇に出てくるような牢屋(ろうや)がありました。
 ところが中学のころ、派出所は、町から離れた国道ぞいに行ってしまい、あとに、高速道路ができて、街を分ける壁になりました。その高速道路にそって側道(そくどう)が二重に街道を横切り、見通しの悪い交差点ができました。「ひやっ」とすることが何度かありましたが、まもなく、父にしかられた時いつも助けてくれた向かいのおじさんが、そこで車にはねられました。戦争中は機関銃兵で、インド・インパールの激戦を生きぬいた健壮(けんそう)自慢の人でしたが、あっけない最期でした。あわてたように信号機がつけられ、お地蔵さんが立ちましたが、派出所もおじさんも帰って来ませんでした。
 育英では、みんなの安全を守るために教室の内と外で気をつけています。教室から一歩出た廊下の見張りは、不審者の侵入を防ぎ、みんなが安心して勉強できるよう特に神経をとがらせています。廊下は滑りやすくて固いゆかとコンクリートの壁に囲まれたうえ、鉄製のロッカーがならべてあり、ちょっところんでも大けがに結びつく恐れもあります。廊下を走ってはいけません。また、ドアは急に開閉することがあるので、絶対にドアの付近で遊んではいけません。
 先生たちは「いざ」という時のために、救急法もCPR(心肺蘇生法)もひととおり勉強していますが、「役に立たないように。」と心から願っています。



懇談会と特別授業              
 今日の1時間目、中学部では懇談会を実施します。懇談会の間、生徒は全学年合同の特別授業です。2時間目からは通常授業にもどります。

避難訓練 
 今日は避難訓練があります。「(訓練)避難」の知らせ(放送・ハンドマイクでの広報など)が聞こえたら、先生の指示に従って速やかに行動してください。

(写真は先週4月3日に行われた入学式)



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