担任から

位置について、用意、ドン

美しい花の季節がやってきました。でも、花粉に過敏な人には、くしゃみになやまされる苦しい日々が続きます。くしゃみをした時、日本人は何の反応もせず、せいぜい、くしゃみに気付かないふりをしてくれる程度ですが、アメリカ人はすかさず「Bless you.」と…

「よくできました」の はんこ

宿題や試験ができた時、得点とともに「よくできました」などのはんこをもらうことがあります。いろいろなデザインがありますが、根強い人気のあるのが桜の花のはんこでしょうか。桜のはんこはたいてい梅とセットになっていて、梅は「がんばりましょう」など…

『文集』あとがき

今年度の『文集』の「あとがき」です。小学校1年でも読めるように、ひらがなばかりになりましたが、中学部のみんなにも読んでもらいたいことです。 ことしの「ぶんしゅう」ができました。 はじめによむのは、じぶんのぶんかな。 このぶんが、いまのきみです…

百年後のお礼

昭和60年(1985)の3月17日、イランとイラクは戦争をしていて、イラクのサダム・フセイン大統領は48時間後から、イラン上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃する、と宣言しました。イランにいる人は死の危機にさらされました。外国人はそれぞれの国から輸送…

きょうは卒業式です

「もう1年がんばろう」「もう1学期がんばろう」「あと、もう少しだ」‥と、みんなはサタデースクールを続けました。育英と現地校との両立のため、人一倍、努力と工夫を重ねてきました。1週間の時間と精力の配分、宿題を一挙に片付ける「魔の金曜日」、土曜日…

まぼろしのカップル

明治14年(1881)のひなまつりの次の日(3月4日)、はじめて外国の元首が日本を訪問しました。ハワイのカラカウア国王(写真)でした。滞在中の10日、カラカウア国王は明治天皇を訪ね、三つの提案をしました。まず日本人の移民、次に王位継承者のカイウラニ王…

勘と勢い

今日は、縄跳び名人のYK先生がニュージャージー校から来られ、縄跳びのデモンストレーションと、みんなの縄跳び大会があります。縄跳びの勘(かん)と勢(いきお)いは、あらゆることに共通です。日本式のバレンタインデーにも通じるでしょうか。 義理だよ…

枡(ます)

3日の節分には、鬼がうちの中に入って来ないように炒(い)った豆を門口にまきます。豆は枡(ます)に入れる事が多いようですが、枡は1300年前の日本の憲法、大宝律令にも出てくる伝統のメジャーカップです。枡の基本は1合(いちごう)で、電気釜のカップ1ぱい…

入試のシーズンですが‥

最近「成人の日」がそのへんの月曜日に変わってから、どうしてその日が祝日なのか分かりにくくなった気がします。もとの1月15日は小正月(こしょうがつ)で、しめ縄を焼いたりする正月行事のしめくくりの日でした。伝統的には、人の年は生まれた時が1歳で、…

若菜つむ

7日は七草(ななくさ)で、野菜を入れたおかゆを食べて健康を願う日でした。新年になって芽が出たばかりの野の草を食べて、元気のもとをもらおうという年中行事です。今の暦(こよみ)では真冬ですが、本来の旧暦では2月の中ごろ。気の早い草花はもう芽を出し…

歌会始

あけましておめでとうございます。お正月ですね。みんなの「百人一首」の実力を発揮する時です。 よく考えるとカルタというのはずいぶん乱暴なゲームです。天皇の御製(ぎょせい)から、山辺赤人(やまべのあかひと)のような何者かも分からない人の歌までい…

シビック

昭和16年(1941)、太平洋上にいた日本の航空艦隊に「12月8日に予定行動を開始せよ」を意味する電文「ニイタカヤマノボレ1208」を発信したのは、戦艦「長門(ながと)」からでした。この電文によって、ハワイの米軍基地にいた太平洋艦隊が攻撃され、アメリ…

ノーベル賞

遠足で、ニューヨーク水族館に行った時、暗い展示室の中で丸い頭をしたかわいいくらげが水槽の中で青く光っていたのを憶えていますか。あの光るくらげのしくみを研究し、オワンクラゲ(Aequorea victoria)から緑色蛍光蛋白質(---けいこうたんぱくしつ)(Green …

お茶

明治維新を進める日本は、欧米のキリスト教にあたる、近代を支える思想を日本発祥の神道(しんとう)に求めました。その結果、千年以上も日本の思想や文化に大きな影響を与えてきた仏教の地位が落ちてしまいました。みんなに恨(うら)まれるようなお坊さんも…

新米のにおい

米のにおいをかいだ事がありますか。 米を袋(ふくろ)から米びつに入れる時、ザーという音と共に米と「ぬか」のにおいが立ち込めます。ハロウィーンが過ぎましたが、11月のはじめは日本では連休で、故郷では、この時に人手(ひとで)の要る稲刈りをしました。稲…

秋の七夕(たなばた)

7月7日の七夕には短冊に願い事を書いて笹にかざりましたね。日本人は古来、七夕に習い事の上達を願ってきました。詩歌を彦星(ひこぼし)と織姫(おりひめ)におそなえしたり、本を開いて夜気(やき)にさらす「虫ぼし」などの風習もありました。七月の別名「文…

おにぎり

運動会のある今日の目覚めはどうでしたか。朝の光さえ「勉強ばかりしている」普段の日と違う色に見えませんでしたか。 思い出すと、ふだんは弁当箱にご飯をそのまま詰めてある昼食でしたが、運動会や遠足では、きまっておにぎりでした。母の手から生み出され…

二人三脚必勝法

来週、27日の運動会では二三人三四脚という競技があります。参加者は、二人三脚または三人四脚になって走ります。この競技でいちばん大切なのは一緒に走る人との呼吸です。呼吸を合わせるにはいっしょに掛け声を出すのが一番です。「いちに」や「よいしょ…

在原神社の鉄くず

千早ぶる神代もきかず龍田川 からくれなゐに水くくるとは を詠んだ百人一首の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)が住んでいた所は今、在原神社(写真)という小さな神社になっています。 在原神社の周囲は、戦後長く、くず屋の鉄くず置き場でした。その頃く…

星の少ない星条旗

昭和20年(1945)の9月2日、東京湾に入ったアメリカの戦艦ミズーリ号には、星の少ない古い星条旗が掲げられました。約百年前(1853)に同じ所に来航した黒船(ペリー艦隊)の旗艦サスケハナ号の軍艦旗です。甲板は上も下も黒山の人だかりで、これからショー…

7月9日の横浜港

武士の世は大政奉還(1867)によって終わりましたが、外国と結んだ条約は新政府によって引き継がれ、多くの外国船が日本に来るようになりました。そんな中、明治5年(1872)7月9日(旧6月4日)に横浜に入港したペルー船「マリアルス号」から清国人2人が英国…

鈴木大拙とダルマさん

鎌倉の円覚寺(えんがくじ)は、元寇の敵味方戦没者の供養(くよう)のために、執権、北条時宗が建てた臨済宗の禅寺(ぜんでら)で、現在も活発な修行活動をしています。 5月17日の合同授業でみんなが学んだ鈴木大拙もこの円覚寺で長く座禅修行をしました。大拙…

「はい」は首を横に振る。「いいえ」は‥?

25日に最終日の千秋楽(せんしゅうらく)を迎えた大相撲(おおずもう)五月場所で、ブルガリア出身の琴欧洲(ことおうしゅう)が優勝しました。 ブルガリアは去年、ヨーロッパ連合(EU)に加盟したばかりの元社会主義国ですが、「はい」と「いいえ」が日本と…

青の洞門

アメリカで安いのは、日本では有料があたりまえの高速道路の通行料です。ほとんどの道路がただです。ニューヨーク付近でお金を取られるのはマンハッタン周辺の橋やトンネル、またニュージャージーターンパイクなどの一部の道だけです。マンハッタンに入る通…

かしわもちとちまき、どっちが好き?

五月の空に泳ぐ鯉幟(こいのぼり・写真上)は日本中で見られますが、故郷では、鯉幟の竿(さお)が特別でした。男の子の初節句には、頂頭だけ緑の葉を残して、皮をむいた杉の竿を立てます。緑色の頭をつけた真っ白な竿と新しい鯉幟は、五月の空に映えて、目…

聖火こそないけれど‥

日本やアメリカでも負傷者や逮捕者を出した北京オリンピックの聖火リレーが、世界中で騒動を起こしています。その原因は、「チベット問題」です。チベットは昭和24年(1949)に今の中国が国を作るまでは独立を保っていました。チベット民族は仏教を信仰し…

たし算、わかるかな?

足し算です。1から100までの数字を全部足すといくつになるでしょうか。ガウス(Johann Carl Friedrich Gauss)という人は小学校でこの問題を出された時、すぐに答えを出したそうです。6年以上も前から足し算を習っているみんなはどうでしょうか。 ガウス…

ボール投げ、どうやってするの?

19日から始まった育英オリンピックの新種目は「ボール投げ」です。ボールをどれだけ遠くに投げることができるかという競技ですが、ふだんボールにさわることの無い人でも、ちょっとしたコツさえおぼえれば、すぐに自分の記録を20パーセントは伸ばせます。…

くいだおれ

今週のはじめ、大阪道頓堀(どうとんぼり)の「くいだおれ」食堂(写真)が閉店するというニュースが飛びこんできました。 「くいだおれ」は「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」(きょうのきだおれ、おおさかのくいだおれ)という言葉から来ています。京都の人は着る…

よくなろう、よくなろう

中学最初の1年はどんな1年だったでしょうか。自己主張が強くなったなあ、人の言うことに対してなぜか反発したくなるなあ、言い訳することが多くなったなあ、とか感じることはありませんか。これは、「自分」というものを持ち始め、大人に一歩近づいてきた…